卒業パーティーまで一日

14/33
606人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
マデリーンはパトリックではない誰かと、パーティーに参加する前提で話が進んでいるのだが気のせいだろうか。 自らを落ち着かせるように深呼吸を繰り返す。 「お父様が、卒業パーティーに出席出来ない事を伝えに学園に向かいました」 「……!?」 「ですので、わたくしは参加致しませんわ」 「なっ……何で出席しないなんて言うんですかッ!?」 いつもならば「ですから、何度も申し上げている通り……」「どうして貴女にそんな事を言われなければならないのですか?」と牽制するところだが、いつもと同じではダメなのだ。 こんな時、ローズマリーだったらどうするのか……そう考えると、今までされた事を考えて自ずと答えが出てくるものである。 「ごめんなさい、ローズマリー様……っ」 「!?!?」 眉を寄せて口元に手を当てる。 懸命に瞳を潤ませてショックを受けている様子を見せる。 それにはローズマリーも少なからずたじろいでいるようだ。 「わたくし、何か悪い事をしてしまったのかしら……ローズマリー様に責められてしまうなんてっ」 「べ、別に責めてる訳じゃ……!」 「そんな風に言われると思わなかったんです!わたくし、わたくし……っごめんなさい」 「……っ!!」 「それに、わたくし足を怪我してしまったんです。長時間立ってる事が出来ませんの」
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!