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マデリーンはパトリックではない誰かと、パーティーに参加する前提で話が進んでいるのだが気のせいだろうか。
自らを落ち着かせるように深呼吸を繰り返す。
「お父様が、卒業パーティーに出席出来ない事を伝えに学園に向かいました」
「……!?」
「ですので、わたくしは参加致しませんわ」
「なっ……何で出席しないなんて言うんですかッ!?」
いつもならば「ですから、何度も申し上げている通り……」「どうして貴女にそんな事を言われなければならないのですか?」と牽制するところだが、いつもと同じではダメなのだ。
こんな時、ローズマリーだったらどうするのか……そう考えると、今までされた事を考えて自ずと答えが出てくるものである。
「ごめんなさい、ローズマリー様……っ」
「!?!?」
眉を寄せて口元に手を当てる。
懸命に瞳を潤ませてショックを受けている様子を見せる。
それにはローズマリーも少なからずたじろいでいるようだ。
「わたくし、何か悪い事をしてしまったのかしら……ローズマリー様に責められてしまうなんてっ」
「べ、別に責めてる訳じゃ……!」
「そんな風に言われると思わなかったんです!わたくし、わたくし……っごめんなさい」
「……っ!!」
「それに、わたくし足を怪我してしまったんです。長時間立ってる事が出来ませんの」
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