卒業パーティーまで七日

1/30
606人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ

卒業パーティーまで七日

「パトリック殿下は、何故あの令嬢に夢中なのかしらッ! それにあの態度、本当に許せないわッ」 「お嬢様ッ……! 落ち着いて下さいませ」 「わたくしに触らないでッ!」 「……マデリーンお嬢様」 「どうして……わたくしは何を間違えたというの⁉︎」 "マデリーン・ウォルリナ"は三大公爵の一つ……別名"水の公爵"と呼ばれるウォルリナ公爵家に生まれ、二種の魔法属性を持つマデリーンは、『水の乙女』と『氷の乙女』の称号を持っていた。 ガイナ王国の貴族達は皆、脈々と受け継がれる血筋によって魔法を使う事が出来る。 強い弱いはあれど、それは絶対的なものだった。 種類は様々で、家々により代表的な魔法が存在する。 そして、この国の第一王子である"パトリック・ドレ・ガイナ"の婚約者だった。 橙色の髪と金色の瞳はこの国の王族の証……炎の魔法を使い、代々国をまとめ上げてきた。 幼い頃の約束を果たす為、パトリックを支えると誓ったマデリーンは血の滲むような努力をして自分を高めてきた。 (今は違ったとしても、パトリック殿下は正しい道に気付いてくれるわ……!)
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!