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御見送り庁
2028年、日本政府は少子高齢化の問題が限界に達したと判断して、六十歳以上の希望者へ安楽死を許可する法律を制定した。
若者は高齢化社会を支え切れず、老人は国の重荷に後ろめたさを感じ、遊援党率いる野党連合が高齢化問題を争点にした衆参同日選挙で勝利し、総理大臣に就任した河本聡太郎は「御見送り庁」を創設して、日本を「幸せな国」にすると宣言したが船出から暗礁に乗り上げる。
「総理。御見送り庁の担当大臣が決まっていませんが、大丈夫なのですか?」
首相官邸のエントランスにて総理大臣・河本聡太郎の「ぶら下がり」会見が行われ、御見送り庁・国務大臣の選考が難航している事を問われた。
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