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4・ラベンダー香る教会にて
翌年の6月。
わたしたちはプロヴァンスの教会で結婚式を挙げた。
その、こじんまりとした教会が立つ丘の下には、見渡すかぎりラヴェンダー畑が広がっている。
今、ちょうど満開の時期を迎えていた。
実はアデルの実家はこの近く。
彼女はこの3月、自宅の隣に小さなショップを開いた。
そして、結婚式にはアデルと共に、ラファエルも来てくれた。
フィアンセと一緒に。
あの後、わたしにフラれて落ち込んでいるラファエルを慰めてくれたお店の同僚だそうだ。
笑顔のステキな可愛らしい人で、ラファエルととってもお似合いだった。
日本からは両親と楓も来てくれた。
昨日、夕食を共にしたとき、楓は「ほら、言った通りになった。あーあ、でも残念。なんか賭けとけば良かった」とか言っていた。
でも、生ルイに会えて、大満足だったみたい。
実は当初、「結婚式はヴェルサイユ宮殿会場にしよう」という案もでていた。
でも、使用料を聞いたら、目玉が飛び出るような額で、それはやめようとルイに頼んだ。
ベルナルド家に使いきれない財産があるのはわかってる。
でも、だからと言って無駄遣いしていいってわけじゃない。
「そのお金、もっと人の役に立つように使ったほうがいいよ。慈善事業とか」
わたしの言葉に、ルイは満足そうに微笑んだ。
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