ミステリーメーカー「初級モード」

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ミステリーメーカー「初級モード」

推理小説(ミステリ)を書きたい! ミステリ好きなら、誰しも一度は思ったことがあるはず。 もちろん、俺もその一人。 いい作品を読んだ後は、俺もこういう作品を作りたいなぁ……などと思ってしまうものだ。 そんな俺に、ぴったり?! のゲームを見つけた。 その名は『ミステリーメーカー』。 なんと、ミステリを作るゲームなのだ。 このゲームには、「初級モード」と「上級モード」がある。 「初級モード」では、小説を書いたことがない人でも遊べるように、選択肢を選んでいく形でミステリを作っていくゲームになっている。 一方、「上級モード」は、ミステリを創作するための支援をするモードとなる。編集者のようにいろいろとアドバイスをしてくれるのだ。 それを元にプレーヤー自身が作品を書いていくことになる。 俺はまず、「初級モード」から始めてみた。 犯人を誰にするか、トリックはどれにするか、など、画面にいくつか候補が出てくるので、それを選んでいく。選択を繰り返していくことで、だんだん物語が作られていくのだ。 作品の出来はAIが判定していき、適切な選択肢を選んでいけばいくほど、面白いミステリであると判定されて高得点がもらえる。 一方、辻褄が合わない選択肢やミステリのお約束を破る選択肢を選んでしまうと、点数が下がっていきゲームオーバーとなる。 なかなか面白いシステムだ。 さて、どんなミステリを作ってみようかな。 俺は登場人物を設定していった。 年齢、性別、職業などを選択していく。登場人物の名前は候補からも選べるし、自分で任意に入力することもできる。 物語の途中で登場してくる人物もいるので、その都度、人物設定画面を出して、キャラを登録していく。 物語の時代や場所なども、いくつかの候補から選んで決めていく。 選択肢を選んでいけばいいので、楽に作品ができていく。 ただし、時代を昔に設定した場合、その時代にないものを作品中に出してしまうとアウトとなる。 例えば、犯人を特定する手段として「DNA鑑定」を選択したとする。 この手法が使われはじめたのが、1986年頃である。 物語の年代をこれよりも前に設定している状態で「DNA鑑定」を選択すると、「時代考証」のポイントで大幅に減点されてしまうのだ。気を付けないと……
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