第一話 私はユカ

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「ねぇ・・・・・ 起きてる?   」 そんなあたしの 思考をさえぎるように  隣に座っている 誠也が話しかけてきた コイツが残っているのを忘れてた 三角座りをして  こちらを伺っている  頭は5分刈りにして アディダスのジャージを着ていた   前歯が欠けてる   そして猛の周りにいる 男の子があたしを見る特有の目で こちらをじっと見ている    「猛の言ってたこと・・・・    本当なのかな?  」 「何が?」 「えっと・・・・ 君が・・・・その・・・」 猛が言っていたことは だいたい想像がつく あたしはため息をついて立ちあがった スカートについた草を手で パンパンとはらいのけた時 誠也の視線が自分の足に釘付けに なっているのを見逃さなかった 「本当かどうか 自分で確かめてみたら? 」
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