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おはよう
夏菜子はスマホのアラームを再度止めて、
掛け布団を体に引き寄せる。
今朝は3度寝までするつもりだ。
スヌーズ機能必須である。
毎朝の、後10分、もう10分が、夏菜子の
幸せの時間なのである。
その分、早い時刻に目覚ましを設定してある。
勤め人の自覚はしっかりある。
3度目のやわらかな電子音が鳴り出すと、
掛け布団を半分に畳みながら起き上がる。
両手を突き上げ背中を伸ばす。
布団に包まれていた甘い熱が、すぅっと気持ち
よく消えていく。
「おはよう」と声に出す。
こうして夏菜子の1日は始まった。
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