★2

7/15
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/210ページ
「まあ、アリスは俺のにするけどね?」 「…夜空くん、悪戯っ子みたいな顔になりましたね? 気の所為でしょうか?」 「フッ アリスにしか悪戯も意地悪もしないけどね?」 「昨日は優しくて格好良かったのにな~ 今日は何か意地悪だし残念です」 月海が何となくそう告げると、夏向はハッとした顔になっていた。 「悪かったよ? あんまりに可愛いから意地悪したくなるんだよ」 「…夜空くん、とりあえず授業行きますよ? 出なかったらお昼はキャンセルになりますからね」 「ぬっ わ、わかったから」 月海は貸出印を貰った本を受け取ると、先に教室へと戻るので夏向も地味眼鏡着用で戻った。 「月海、遅かったわね? 何していたの?」 「本探しに悩んでね?」 「ふふっ そんな所も可愛いわ」 美南はギュッと抱きつくと、春翔が隣で嫌そうな顔をしていた。 「美南ちゃん、春翔くん嫌そうだよ?」 「放っておきなさい」 「でも、悲しそうだよ」 月海がそんな説明をしていると、美南はハァーっと溜息を吐いて離れた。 「月海、1限ってなんだっけ?」 「美南ちゃんの好きな体育だよ? 着替えに行こうか」 「絢芽来てないわね? あっ! メール来てた」 「風邪でお休みか… 先生に言わないとね」 「行きましょうか? 春翔も行くよ」 「覗いていいんだね?」 「阿呆!」 美南はパシッと突っ込みを入れていたが、春翔はニッコリ微笑むと手を握っていた。 「途中までだからね」 「フッ まあ、いつかは見たいけどな」 「口縫うわよ?」 「美南の唇で塞ぐ?」 春翔が耳元でそんな発言をしていると、美南は真っ赤になってしまう。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!