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「まあ、アリスは俺のにするけどね?」
「…夜空くん、悪戯っ子みたいな顔になりましたね?
気の所為でしょうか?」
「フッ
アリスにしか悪戯も意地悪もしないけどね?」
「昨日は優しくて格好良かったのにな~
今日は何か意地悪だし残念です」
月海が何となくそう告げると、夏向はハッとした顔になっていた。
「悪かったよ?
あんまりに可愛いから意地悪したくなるんだよ」
「…夜空くん、とりあえず授業行きますよ?
出なかったらお昼はキャンセルになりますからね」
「ぬっ
わ、わかったから」
月海は貸出印を貰った本を受け取ると、先に教室へと戻るので夏向も地味眼鏡着用で戻った。
「月海、遅かったわね?
何していたの?」
「本探しに悩んでね?」
「ふふっ
そんな所も可愛いわ」
美南はギュッと抱きつくと、春翔が隣で嫌そうな顔をしていた。
「美南ちゃん、春翔くん嫌そうだよ?」
「放っておきなさい」
「でも、悲しそうだよ」
月海がそんな説明をしていると、美南はハァーっと溜息を吐いて離れた。
「月海、1限ってなんだっけ?」
「美南ちゃんの好きな体育だよ?
着替えに行こうか」
「絢芽来てないわね?
あっ!
メール来てた」
「風邪でお休みか…
先生に言わないとね」
「行きましょうか?
春翔も行くよ」
「覗いていいんだね?」
「阿呆!」
美南はパシッと突っ込みを入れていたが、春翔はニッコリ微笑むと手を握っていた。
「途中までだからね」
「フッ
まあ、いつかは見たいけどな」
「口縫うわよ?」
「美南の唇で塞ぐ?」
春翔が耳元でそんな発言をしていると、美南は真っ赤になってしまう。
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