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カトリーナも一緒に吹き飛んで、地面をごろごろ転がった。
幸い頭を打つことはなかったものの、強く尻もちをついて激痛に蹲った。
「いったぁーい。何なのよおっ!」
カトリーナが周囲を見わたすと、頭から血を流して気絶している者や、呻き声を上げながら這いつくばっている者たちもいた。
それぞれがこの機を逃すまいと必死に逃げようとする。
カトリーナもチャンスとばかりに笑みを浮かべて立ち上がろうとした。
しかし、全身に鳥肌が立つほどの悪寒が走り、その恐ろしい気配のほうへ目をやった。
そこには自分たちの乗っていた馬車とは別の馬車があった。
あちらも檻は破壊され、馬も気絶しているようだ。
そして、次にとんでもない光景を目にした。
檻の中からおぞましい獣が次々と出てきたのだった。
狼のようなその獣は次々と囚人たちに噛みついた。
恐ろしい光景を目にしたカトリーナは震え上がって叫んだ。
「いやあああああっ! 誰か、助けてええええっ!!」
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