あの子になりたい

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 * * *  学年も上がり高校二年になって半年が経つと、髪はすっかり宮田咲奈と同じ長さになっていた。ようやくこの時が来たと思った私はこれまで回数を重ね徐々に明るくしてきた髪色に最後の一手間を加え、彼女と同じの茶色いカーリーヘアにした。その頃にはすっかり宮田咲奈と同じ体型になっており、派手なものを身につけることにも抵抗がなくなっていた。まだ整形が自由に出来る歳ではないので、バレない程度に化粧を施し、宮田咲奈のようなフェイスラインや鼻立ち、目の大きさに近づくようにして毎日登校していた。  この一年と半年で状況は大きく変わっていた。カーストの上位に宮田咲奈といて一緒に私をいじめていた女の子たちも私と普通に話すようになっていた。  ただ一人、宮田咲奈だけは変わらず私とは話さなかったけれど。
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