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一章 始まり 1話追放
「エンリ=ヒョウガ。お前をこのS級パーティー赤牙から追放する」
その日は土砂降りの雨だった、私は赤牙のリーダーカズ=アルバンに呼びだされ、追放するということを言われた。
「何でなんですか?」
「はっ?理由は分かってるだろ。お前仲間の金盗んだんだろ。」
カズさんは苛立ちを隠さず私にとって身に覚えがないことを言った。
「違います。私じゃありません。」
「やったやつは大体そう言うんだ。」
「証拠はあるんですか?」
「とにかく仲間に盗みを働くやつはいらん。出てけ。」
「ちょっと待ってください。カズさん、他のメンバーも合意して」
「ああ、してる」
そ、そんな。
「もう一度言う。出てけ。」
そして私は追放された。
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バンッ
「どうして受けれないんですか。クエストの基準も満たしているはずです。」
追放されたあと私は冒険者ギルドで依頼を受けようとした。私の実力はCランクなのでこのホーンベアの討伐依頼を受けれるはずなのである。しかし
「えっでも君、追放されたんでしょ。あのS級パーティー赤牙から。」
「そうですけど、それが何か?」
「追放されたのは、君の実力不足のせいでしょ。なのでDランクに落としまーす。」
はぁ?ギルド職員の権限でそれは規定違反だったはずなのに。・・・結局落とされた。
取れたクエストは“ダンジョン探索”だけ。追放されたことと問答無用でDランクに落とされたのショックが大きかったせいか、いつもはおろそかにしない罠に引っ掛かってしまった。それも最悪なことに転移罠だった。この罠の凶悪さは魔物が大量発生する部屋、ボス部屋に転移させられる可能性があることだ。どこにつくかわからない、運がとてつもなくいい人は、まぁ個人がどう考えるかにもよるが...ダンジョンの外へ転移する。どうかその可能性で...転移した場所は
「セーブポイント?」
セーブポイントとは一階層ごとにあるボス部屋の先にあるエリアだ。セーブポイントはボスを倒さないと行けない場所でそこにある宝箱を開けると地上に戻れるのである。開けると宝箱は消滅するので誰も入ったことのない階層のセーブポイントに転移させられたことになる。普通にラッキーだ。ボス攻略せず済んだー!そう思っていると
「誰?」
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