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「昨夜も言ったはずだ。俺はキミのことがずっと前から好きだった。だからこうして二人きりになれて、すごく満足してるんだ」
突然の愛の告白を受けて、興奮と動揺が体じゅうの血管を駆けめぐっているみたいに全身が熱くなる。
だけど私の気持ちはまだ定まっていない。
彼のことは近寄りがたい人だってずっと思っていたから――。
「そんなの……私は知らなかったです……」
「つれないな。俺の告白を忘れるなんて」
黒木凌は私のそばに来てベッドに腰を下ろす。そして躊躇なく、私の片手を掴み、獲物を狙うような目で見つめてくる。
「もう一度、夜の続きをしようか。そうすればきっと俺の気持ちも伝わるはずだ」
彼に掴まれた片腕が力任せにグッと引っ張っぱられる。私の体はあっけなく彼の胸元へと引き寄せられた。
「ちょ――ちょっと、やめてくださいっ……!」
「やめないよ。キミは一生、俺だけのモノだ」
抵抗する私の体を押さえ、黒木凌は形のいい唇を引き上げた。
彼の手がすばやく動いて私の顔に触れる。長い指先が私の唇をゆっくりと滑っていった。
まるで愛撫されているかのような感覚に、私はふるえた。
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