深い青、彼と今

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深い青、彼と今

 眠る前、暗い部屋で一人。 深い青が思い浮かぶ、切なくも、この夜を素晴らしいものに感じさせてくれる彼の声を聴いていた。 愛しい声で塞がれた耳が心地良い。 右目からゆっくりと流れた涙はそのままにして彼の歌だけを聞いていた。 静かな夜。    この時間だけが私の生きている理由だった。 悲しみから私を救ったのは彼だった。 “彼の曲”と“今”を愛している。 それなのに、襲いかかる眠気。 少しずつ重くなる瞼は私にとって今日の終わりの合図であり、悲しみの始まりだった。 朝にはならずに、夜だけを永遠に生きられたなら。 でも、朝が来ないのなら、彼の歌を必要としなくなるのだろうか。 朝という恐怖と嫌悪があるから彼を必要とするのだろうか。 ただ今の私は彼の歌、声、存在がないと生きていけない。  そんな私の最愛であった彼が表舞台から姿を消した。 彼はまだ25歳。 彼の曲さえあれば生きていけると思っていたけれど、新しい曲がもう聴けないという現実は、想像以上に辛いものだった。
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