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❶ 人気者のあの子は
人気者のあの子は、いつもいろんな人に囲まれてる。
友達だったあの子も、大好きだったあの子も。
みんなみんな、…気づいたら人気者のあの子のところに行ってるんだ。
…いつか、いつかわたしのところにも来てほしいな、
なんて願いは儚く消えていった。
誰にでも優しくて、笑顔で。
当然先生にも気に入られてて、休み時間はたくさんの友達に囲まれている。
そんな感じで、わたしとは正反対な人気者のあの子。
ーー人気者は何やっても許される。
たとえ、人を傷つけていても、あの笑顔で暴力を振るっていても。
みんなみんな、'' 人気者 '' になりたいから、'' 人気者 '' の味方をする。
だから__「 大丈夫だよ 」
なんて言葉は、信じられなくなった。
アイツだけ、アイツだけチヤホヤされやがって…
そうやっていつもいつも勝手に嫉妬したり、ムカついたりしてるわたし。
……アイツなんて、アイツなんていなくなっちゃえばいいのに――。
もし、生まれ変わることができたら、あの子になりたかったです。
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