6.花風くんの触れた場所

6/19
239人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
『いや、分かってるよ。今までも“好き”だったよね? だけどそれは、“恋の好き”ではなかったよね?』 まさかツバちゃんに、全部バレていたなんて。 私以上に私の心内を言葉にしてくれて、私は何も返事が出来なかった。 “恋の好き” ――ボンッ!!! そして今や、切り取ったその言葉に、猛烈に照れている。 ツバちゃんの言うとおり、今までも「好き」ではあった。 それはもちろん、人として。 恋とかそういうことでは決してない。 だけど、今。 私自身、確かに何かが変わった……と感じていた。 それが……、まさかの……。 「恋」!? 今の気持ちが、恋なのか……!? ――いや、違う。……違うと思いたい。 (じゃないと花風くんとの関係がぁぁぁ……!!!) 「……はぁ」 考えるだけで、ライフゲージがごっそりやられる。 私は目の前の問題から、 ▶受け容れる ▶抗う ▶逃げる の、「逃げる」を選択した。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!