6.花風くんの触れた場所

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「はれひ」 「ん? ──はっ花風くんんっっ」 思わず死んだ顔面で振り返ってしまい、そんな自分に自分が怯えた。 ひどく不細工な顔を見せてしまった。 いや普段と大差ないんだろうけども。 「花風くんがどうしてここにっ」 頭巾にしていたハンカチを外し、慌てて向き合う。 「……ここんとこずっと、はれひが逃げるから」 そう言ってしゃがんだ膝の上に頬杖をついて、どこか不機嫌そうに言う。 (きゅ、きゅーん……っ) って、きゅん!?!? 制御不能な感情が、またも一様に押し寄せる。 これは絶対ツバちゃんのせいだ、ツバちゃんのせいだ。 恋とか、なんだとか、言うからっっっ!!! ふて腐れているその表情に、目を離したいのに離せない。 (え、可愛……って、違くて!!!) なんでこんなにも、キュンキュンドキドキしてるんだ!? 今までの「イケメン」だからとか、「奇跡の美形」だからとか、そういう生理現象とは、ちょっと違う。 これは――……。 故意。 これが“恋”なのか!?
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