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43 宝井チームと高橋チームが落ち合った場所で四人は食事をとる事にした。 入ったのは宝井お気に入りのラーメン屋だ。営業職ゆえに行列が出来るラーメン屋は中々お邪魔出来ないが、ここのラーメン屋は穴場中の穴場だった。 美味いくせに知られていないのだ。店が奥まった場所にあるせいで、大通りからは中々見つけられないのがその理由の一つでもあった。 カウンター席に並んで座り、注文を済ます。 待ってる間、文也は関の変化に目敏く気づくと、宝井に問いかけた。 「関くん…何かありました?いつもに輪をかけて無口…」 関、宝井、文也、藍の順に座っていたのだが、宝井は隣に座る関のシルバーの髪を撫でて文也にウインクした。 「ちょ〜っと距離詰めただけだ。なっ!関」 何でもない事のように振る舞う宝井の言葉に、関はフイと顔を逸らし赤面しながら俯いた。 まさか、だからといって、宝井が関に何かしたとは思わない文也は笑いながら眼鏡を押し上げ上司に小言を落とした。 「先輩、あんまり新人いじめないで下さいよ。関くんもかなり仕事が出来る人材なんだから。優しく!ですよ」 「あぁ〜はいはい。分かってますよ!優しく…したよなぁ?関」 そっぽを向いたままの関。その背中をポンポンと優しく叩く宝井。 関は心中穏やかではなかった。 こんな風に遊ばれる側に回るなんて初めての事だからだ。そのせいか、どんな顔をしていいのか分からなかった。 宝井は正直、そんな関が面白いとは思っている。しかし、文也と同じく、恋愛対象かと言われたらそれはまた別の話だった。
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