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スタートラインは同じだ
「マイケルさん!!」
記者がSランク冒険者マスター・マイケルに質問をしていた
「マイケルさん、最強の冒険者と言われていますが、そこまでたどり着くということは、やっぱり一種の天才なんでしょうか」
その言葉を聞くと、マイケルは立ち止まり、話し始めた
「世の中に天才なんていませんよ」
「それはどういうことですか」
記者が質問を続けた
「皆さんが言っている天才というのは、努力をしている人です、それも何度も失敗したり、間違えたりした人です」
記者は質問をやめた、マイケルは続けた
「それに比べ、私はまだ未熟だ」
「どんな事があって、強くなろうと思ったんですか?」
記者が聞いた
「私の住んでいた貧乏でね、村は街から少し離れていた」
マイケルは続けた
「20年前のことだった、魔物たちが突然暴れ出したんだ」
記者がつぶやいた
「20年前、それって、魔王の復活した年ですか?」
マイケルは頷き、答えた
「あぁ、そして魔物たちのスタンピードが起きた年だ、一瞬の出来事だった、私の家も家族も全て奪い去った、その時、私は初めて気付いたよ、自分の弱さを」
記者が頷いた
「なるほど!」
「でも、私は人を守れるようになった、だからこそ努力をして己を磨き続けるそういう人が天才と呼ばれるべき存在だと思う、どうかな」
記者達は思わず拍手をしていた
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