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蓋が開いて感じたのは、それだけではなかった。
多分これは小学校の卒業アルバムを見た時と、同じ気持ちだ。
とても懐かしくて穏やかで、けれどもう決して戻ることのない時間を思うと少し苦しい。
あれから無意識に遠ざけていた舞台の上は変わらず輝いていて、やっぱり胸が高鳴った。
流れる音楽は足がリズムを刻み、体が覚えているステップを指がなぞる。
少なくともあのころ感じていた息苦しさはもうなかった。
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