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「あなたこそ…こんな日にココに来るなんて…満月、出てないですよ」
『ククッ…ならお互いに物好きってことだな』
大罪人さんは、強く抱き締めて包み込む。
『で…なにがあったんだ?桜月』
「っ…風邪、ひきますよ」
『俺は身体が丈夫でな、風邪なんかひかねぇよ。桜月』
もう一度、名前を呼ばれると、なにか崩れ落ちて行く。
そして、大罪人さんに聞いたことを全て話す。
大罪人さんは黙って聞いてくれていて、私の声と雨の音だけが響く。
「その人は…あなたですか?大罪人さん」
『……知らねぇな。まさか俺にそっくりな奴がいるとはな、この世は分からねぇな』
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