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信じられないことの連続で、何をどう考えていいのかわからない。単に、彼が不利にならない証言をしたいと来ただけなのに、思わぬ状況に投げ込まれてしまったようで、ユリアナは落ち着かなかった。
「お嬢さま、段差がございますので、ゆっくりとお進みください」
「ここかしら」
コツ、コツと杖を使いながら歩いていく。初めての建物は慣れないためただでさえ緊張感が伴う。耳にはレオナルドの「愛している」の言葉がこだましているが、うっかりするとどこかに躓きかねない。
慎重に歩いていると、大法廷を出て廊下の突き当りを曲がったところでユリアナは声をかけられた。
「先見の聖女様でいらっしゃいましたら、こちらの部屋が控室となります」
「はて、そのようには聞いていないが」
「聖女様のために、お部屋を暖めてあります。どうぞお入りください」
丁寧な物言いの女官に招かれ、ユリアナ達は確かめる術もなく開けられた扉の中に入っていく。暖炉には赤々と火が灯り、足元も暖をとれるように絨毯がひかれている。そこには意外な人物がユリアナを待っていた。
「そなたが先見の聖女か」
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