25 大きな翼

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 何のきっかけでその話になったのか知らないが、口止めしていたのにどうしてだろうと思ったら、梶はブンブンと首を振った。 「違う、会ったんだ……。偶然、帰りの飛行機で津久井という医師と隣になって、彼を迎えに来たのが夕貴と名乗る男だった」 「え………」 「彼らも探していたんだよ。未春のことを……」  二人の頭上空高く、大きな鳥が飛んでいった。  その影が地面の上を滑っていく様子を見ながら、佐倉は梶に言われたことを頭の中で繰り返した。  □□□
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