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仏画絵師は、僕に一冊千円の冊子を買えと勧めてくる。
自作の画集だそうたが、絵のタッチが今一つで気に食わない。
仏画を描くということは確かに素晴らしいことなのだが、この人の描く仏画の表情には魅力を感じない。
僕は無駄なお金を使いたくない。しかも学生だ。
僕は芝居をうつことにした。
スマホを手に取り、電話に出るふりをした。
はい。はい。わかりました。今からそちらに向かいます。失礼します。
僕は仏画絵師に頭を下げ、美大の教授から呼び出されたと告げ、その場を去った。
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