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「その言葉で気づいたよ。お前もフレッドも精一杯生きたんだよな。後悔がないように、一生懸命生きたんだよな。なら、俺が本当にしなきゃならないのは、お前たちの幻想に(すが)ることじゃなくて、お前たちの気持ちに応えること、だよな?」  ホログラムはバグでも起こしたように何も答えなかった。 「今まで、ありがとう。でもお前たちのデジタルコンストラクトがなくたって俺はもう大丈夫なんだ。お前達はずっと俺の心の中にいるから」  そう言って、光学式義眼(オプティック・デバイス)に映るブラウザのタブを切り替えて契約解除書面を出した。書面の『解除します』に視線を合わせる。 「さよなら。愛してる、ずっと」  そう(つぶや)いてウインクをした。 《完》
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