1章 世界の危機

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2 「あなた、何者なの?」 水琴は張り詰めた緊張を緩めることなく、剣を構えた。 『レオラだよ・・・。眠いから、手短に片づけさせてくれない・・・かな?』 嫌な予感はこういう時に当たるのよね・・・ 水琴は考えを一度置いとき、溜息交じりで話しだした。 「あなたの目的は?」 『んー、言えないよ。そこまで知りたいなら、ふわぁ・・・、倒してみなよ』 宣戦布告に等しい、いえ、宣戦布告そのものだ。 「轟け!氷雪の棘地獄!」 『消えろ!悪夢の迷路』 黒い迷路の中に水琴の術式が侵入し、無効化した。 「おい、術式無効は違反だろそれ!!!」 『どの口が、言ってるんだよ・・・ふわぁ』 ビリビリしてます。 「あー、実力行使でボコさなきゃダメだなこれ」 『え?』 「貫け!氷結の蜃気楼」 『無駄だ!!』 レオラが再び悪魔の迷路で術式を無効化しようとする。 が術式は囮だ。 「私が使えるのが術式だけと思わないことよ」 剣でレオラを斬りつける。 『・・・・・・っ』 「ト、ド、メ!!」 『我の盾となれ!!ゴーレム!』 レオラを抱えてゴーレムが盾となった。 「って、ゴーレムどこから来たんだよ!?」 『どうでも・・・いいだろ』 吐血しながら途切れ途切れに話す。 『さすがに、無茶しすぎちゃったな。ここは潔く撤退にさせてもらうけど、負けたわけじゃないからな』 レオラはそう言い残しゴーレムに抱えられながら消えていった。 いつの間にか氷の対戦フィールドは消えてた。 「無事かい!?」 駆け出してきた男性。 「ええ。ところで今更で申し訳ございませんが、貴方様のお名前、お教えもらっても良いでしょうか?」 水琴は衣服に付着したホコリを落としながら男性に聞く。 「僕は、魁 水頼(サキガケミライ)だよ。君こそ教えてくれないか?」 「私は、立花水琴。よろしくね、魁くん」 「水琴か。こちらこそ。ところでだが、さっきの怪物たちはなんなんだい?そして君は一体何者?」 「知りたいですか?」 「ああ」 水琴は周りを見渡しながら結んでた髪を解きながら話した。 「人が多い場所は嫌です。静かな場所で話したいです」 「わかった。僕の家で話聞くよ」 ポケットから出した飴を口に入れながら答える魁。 「一人暮らしなの?魁くん」 「まあ、な」 水琴は目を輝かせて話した。 「一人暮らししてるんですか!いいなー」 「と・・・とにかく家に向かうぞ」 2人の様子を見つめながら一人の女性が 「私がこれを持ってるのは偶然・・・なの?」 手のひらにある小型の弓をじっと見ながらボソッと呟いた。
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