ダ・マ・シ・タ・ナ

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ダ・マ・シ・タ・ナ

「騙したな……」  俺は目の前にいる奴らを、恨みがましい目付きで睨みつけた。こいつらにすれば、まさに「してやったり」という気分だろう。悔しいが、今まで全く気付かなかった。俺は、自分の浅はかさ、愚かさを嘆き、呪った。俺って奴はほんとに救いようのない、真の大馬鹿野郎だ……。  そう思いながら、じっと唇を噛みしめる俺の姿を。目の前の奴らは、懸命に笑いを押し殺すようにしながら見つめている。ああ、さぞ楽しいだろう、嬉しかろう。これだけ見事に騙されてくれればな。ものの見事に、術中にハマってくれればな……!  正直俺は、ここでどうリアクションすればいいのかさっぱりわからなかった。思いきって悔しさを全面に押し出すのがいいのか、それとも逆に大声で笑いだした方が、後でいい話のネタにでもなるのか。騙されたこと自体が衝撃的な出来事だったので、俺は実際、途方に暮れていると言っても良かった。  そんな俺の、明らかに面食らった様を、少しの間堪能したあと。目の前の奴らは一斉に、大声を上げた。 「昇進、おめでとうございまーーーーーす!!」
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