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「ねぇねぇ知ってる?純花ちゃん」
仕事の休憩時間。
コンビニで買ったハムとレタスのサンドウィッチを頬張り、ずぞーっとカフェラテを啜っていると、可愛らしい女性の声がすぐ横から聞こえてきた。
にこにこと愛嬌のある笑みを向けてくるこの子は、藤川ちゃん。私の同僚だ。
「なに?藤川ちゃん」
「うちの会社の近くにある神社、知ってる?純花ちゃんは行ったことあるかなーって!」
「神社……?」
会社の近くに神社があるなんて、初耳だ。
「行ったことないし、聞いたこともないよ」
「だよね~!あたしもさっき聞いて知ったんだけど、ここから徒歩数分の場所にあるらしいよ!会社の裏の森にほっそい小道があるんだけど、そこを進んでいくと小さくてボロい神社があるんだって!」
「へぇ……あんな森の奥なんて、行く人いるのかな。ちょっと怖いかも」
会社の裏にある森は、薄暗くてなんだか不気味な雰囲気が漂っている。
あんなところに足を運ぶなんて、もはや肝試しのようなものだ。
「あははっ、たしかに~!でもね、なんと、縁結びの神社らしいの!」
「縁結び……?」
ドキッと心臓が音を立てる。
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