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1.人気のクラスメイト
放課後の美術室でグラウンドを眺めながらキャンバスに絵を描くのが好き。
誰にも邪魔されないこの静かな空間で好きなことに没頭するのが私の憩いのひととき。
お手洗いから戻って再度筆をとった私は、ほう、と息を吐き出した。
外は生憎の曇り空だけど、雲間から覗く太陽の光がとても綺麗。あれは何と言うんだっけ？ 天使のはしご？
思わず空を見とれていると――。
ガララッピシャッ
突然教室のドアが開けられ、ツカツカと入ってくる一人の男子。
「……え、み、御堂くん？」
「ちっ、人がいたのか、しくったな」
悪態をつきながら私を睨む彼は同じクラスの御堂薫くんだ。
ここ御堂学園の理事長の息子で、容姿端麗成績優秀スポーツ万能なハイスペ男子。
中学の頃からモテまくり高校生になってもその人気が衰えることはなく、むしろ更にあか抜けて格好良くなったともっぱらの評判。
……て、まわりが騒いでいたのを聞いた。
私は高校からこの学園に入学したから中学の頃の御堂くんは知らないんだけど。それにしてもキラキラと後光が差すほどに眩しい存在。いつも誰かに囲まれていて、毎日放課後こんな人気のない美術室で静かに過ごしている地味で眼鏡な私とは大違いなのだ。
そんな御堂くんがなぜここへ――？
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