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 離れていく二人の背中を見送りながら、浩輝が小さな声でつぶやいた。 「柚葉、来年がギリギリかも。」 「うん、見た目が離れていくもんね。」  来年には私たちは27才。『いつまでも若いね。』と言われても大学生のような見た目では奇異の目で見られることになるだろう。  少しずつフェードアウトするように、私たちは親友たちとも別れなければならない。  私の顔が少し寂しそうだったのか、浩輝が私の頭をぽんぽんと叩きながら明るい声を出した。 「明日は買い物しよう。何を買って帰る?」  私も負けじと明るい声を出す。 「うーんとね、ビーンズクラブのコーヒー豆ととんぼ屋の和菓子と雑誌と…。あと最新のヒットをスマホにダウンロードしておく!」 「よし、コーヒー豆は多めに買っておこう。でも、最新ヒットも次帰ってくる時は変わってるよ。」 「いいのっ。」  私たちはいつものように手を繋ぎ、懐かしい街の中に溶け込んでいった。  【おわり】
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