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「守秘義務はわかりますが、その契約はまだ有効なのでしょうか」
マシュー、いい質問ね。
「ミッションに失敗したので、これで終了です」
ペンダントの中身なら確認できたけれど、ミッションはペンダントを盗むことだったのだから失敗だ。
成功報酬は受け取れないけど仕方ない。
「俺を殺し損ねたというわけか」
「いえ、わたしは殺し屋ではありませんので!」
飛躍しすぎでは!?
そういう物騒な依頼は請け負わないのがわたしのポリシーだ。
「ということは、いまは完全にフリーなんだな?」
ランディの問いに頷く。
「そうです」
「そういうことだ。なにも問題なさそうだな」
ランディがマシューに向かって嬉しそうに微笑んだ。
いやいやいや、あるでしょうよ! マシューもなにか言ってよ!
「あの……本当にわたしと結婚なさるおつもりですか?」
おずおず確認してみると、ランディは大きく頷いた。
「もちろんだ。誘ってきたのはレイナの方だろう?」
ええ、そうなんですけどね。
「初めてを捧げてくれたじゃないか」
ええ、またその話に戻っちゃいます?
マシューに目を向けると、熱心にメモを取っているではないか。
あなた、なにをメモしてるのよ!
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