プロローグ

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プロローグ

 互いの熱い吐息と汗ばむ肌のせいか、灯りを落とした寝室全体が湿り気を帯びた空気で満たされている。 「震えているな……寒いのか? それともいまさら怖気づいたのか?」  余裕ぶって口角は上げているものの、こちらを色気たっぷりに覗き込む榛 (はしばみ)色の瞳の奥には獰猛な光が見え隠れしている。 「お願い、早く来て」  彼の首に両腕を回して引き寄せると、それに応えて唇が重ねられる。  熱い舌に口内を蹂躙されて全身の力が抜けてしまった。下腹部だけがジンジン熱い。    ベッドがギッと軋んで十分に濡れそぼっていると思われる秘所に昂りをあてがわれた。 「そんなに緊張するな。力を抜け」  硬くて熱いソレが隘路を割って侵入してくる。   「すごく狭い。久しぶりか?」 「……あっ!」  裂けるような痛みに思わず漏れた小さな叫びを押し殺すために親指を強く噛んでいると、その手を取られた。   「馬鹿だな、痕がついているじゃないか。安心しろ、気持ちよくしてやるから」  歯形のついている指先をれろっと舐めて、長い指を絡めるようにしっかりと握ってくれた。  穿たれて揺さぶられるうちに痛みが快感へと変わっていく。  初めて味わうその感覚に流されるまま、彼に全てをゆだねたのだった。  
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