32人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「…大丈夫です。息抜きにもなるし、いつも通り叔父さんにお任せします」
「本当?」
「はい、楽しみにしています」
そう言うと、叔父さんは明るい笑顔を浮かべた。
「わかった!じゃあ、今年もとっておきを用意するから楽しみにね。
……もしかしたら仕事の都合で、誕生日には間に合わないかもしれないけど、でも絶対持ってくるからね!」
そのとき。
玄関から物音がした。
それから驚いたような声。
「え!なに、この汚い靴。
もしかしてトモキ!?来てるの?」
「お、姉貴だ。
……姉貴ー、お邪魔してまーす!」
叔父さんが玄関に向かって声をあげる。
すぐに憮然とした顔の母さんがこちらにやって来た。
「もう!来るなら連絡しなよね。何も用意してないよ!」
「平気平気。夜には空港行くから、泊まったりしないし」
「だからって……」
叔父さんが母さんとなにやら言い合いを始める。
これはしばらくはおさまらないなと思い、オレは部屋に戻ることにした。
……オレから叔父さんが来たこと連絡すべきだったのか。
いや、別にいいか。今更だし。
それより、あとで桜がお裾分け持ってきたこと言っておかないと。
最初のコメントを投稿しよう!