Chapter.1

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「成功ですか? 」 「あと一歩。 ココでエレベーターに乗り込んだら スアンは一階を押すんだ。 でもなぜかエレベーターは上昇する。 そしたらゴールだよ」 スアンが エレベーターに乗り込んできた。 「コレで帰れるぞ、良かったな」 修司は彼女の肩にポンと手を置き すれ違いながら降りようとする。 しかし降りれなかった。 修司は驚いて振り返る。 スアンは顔を真っ赤にしながら 右手で学ランの袖をつかんでいた。 左手はエレベーターの[開]ボタンを 押し込んでいる。 「スアン……? 」 「……嫌」 「え? 」 「お別れなんて……嫌」 沈んだトーンから一転、 彼女の声は明るいものになった。 「聞いて! すっごい面白い友達が居るの! オカルトに詳しい友達も! それに、 紹介したい場所がいっぱいあるの! 修司さんだってコッチ来たいでしょ? 」 「スアン……」 「だからお願い、 さよならなんて、 さよならなんて言わないで……」 明るかった彼女の声も 最後の方は消え入りそうになった。 修司は両手で優しく彼女の手を握る。
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