11 あなたに嫁いで…

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11 あなたに嫁いで…

そして、領地の公園で挙式を行う事になり、急いでウェディングドレスを買わなくてはならなくなった。 沢山の領民がお祝いを運んで来てくれたので、何とかウェディングドレスは買えそうだった。 私とゼルゼディス様は気が乗らなかったが、ウェディングドレスを買う為に王都サルベアへ向かった。 「予算が3万ルナですけど、ありますかね…?」  ゼルゼディス様が不安そうに尋ねた。 「まぁ、デザインを選ばなければ… 私はどんなドレスでも構いませんし。」 私はフォローする。 「そうですか… 選べないんですね… 領民達も頑張ってお祝いくれたと思うんですが…」 フォローは効果なく、ゼルゼディス様は珍しくしょげていた。 「ゼルゼディス様、私は… お祝いを持ってきてくれる領民達を見て、あなたに嫁いで良かったと、心からそう思ったのです。 そいういお金だからこそ、どんなドレスでも大歓迎ですわ!」 私は言った。 「エシャロット… 私も… あなたが嫁いで来てくれて、良かったと心から思います…」 ゼルゼディス様が言い、私達は顔を合わせて微笑んだ。 そして、馬車は王都サルベアに到着した。 馬車を停めて、王都サルベアのマドンナというウェディングドレス店に向かう事にした。 しかし、途中で宮廷魔導士の飲み会に遭遇してしまった。 「おぅ、ゼルゼディス! 宮廷魔導士もクビだってな!w」 「もう、食う物もねーんじゃねーのか?w」 「土下座するなら、100ルナ恵んでやるぞ?w」 などと、ゼルゼディス様はからかわれている。 「ゼルゼディス様…」 私は不安気に言う。 「私から離れないで、エシャロット。」 ゼルゼディス様はそう呟き、私を自身の斜め後ろに隠した。 しかし、次の瞬間… 「カマイタチ!」 宮廷魔導士の1人がふざけ半分でカマイタチを放った。 しかし、その刃は私の頬をかすめたのだ。 「エシャロット…!」 「へ、へ、平気ですわ…! ちょっとかすっただけで…」 私は平静を装うが… 「あなた達、絶対にやってはいけない事をしましたね… 許さない…」 ゼルゼディス様は地に手を当てると、詠唱し始めた。 『灼熱の炎より生まれしものよ… 汝の真なる力、目覚めよ… 暗き地中より今ここに現れよ、召喚イフリート…!』 地面に複雑な模様が刻まれ、炎の巨神イフリートが召喚された。 「う…そ…だろ…」 「イフリートはSランク魔導士しか…」 「に、に、逃げろ!」 魔導士達は走っていくが、イフリートの黒炎からは逃れられない。 イフリートは黒き炎で魔導士達を焼き殺そうとする。 「ゼルゼディス様! もうダメです! やめてっっっ!!!」 私はイフリートを操るゼルゼディス様の右腕にしがみつき止めた。
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