座敷童子とわたし

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おかっぱ頭に赤色のちゃんちゃんこを着た六歳か七歳くらいの女の子だったのだから。 「あ、あなたは誰かな?」 わたしは吃りながらその赤色のちゃんちゃんこを着た女の子を指差した。 すると、その女の子は、「あら、わたしが見えるんだね」と言った。 「う、うん見えるよ。だって、あなたはこの部屋に居るんだもん」 「そっか、それは嬉しいな。あ、お部屋の掃除をしてくれるんだね」 赤色のちゃんちゃんこを着たおかっぱ頭の女の子が床に落っこちている箒やちりとりをじっと見て言った。 「うん、おばあちゃんに頼まれたから掃除をするんだよ」 わたしはそう答え、ちょっと待てよと思った。 だって、この部屋を掃除してくれるんだねとは一体どういうことなのだろうか。まるで、この『開かずの間』が目の前にいるこの女の子の住まいみたいではないか。 「ねえ、わたしの部屋を掃除してくれるんでしょう?」 わっ! 女の子はわたしがまさかと思っていたことを当たり前のようにいうではないか。 「う、うん、掃除はするよ。だけどこの部屋はわたしの叔母さんが使うんだよ」 わたしは、そう答えナオカちゃんがこの家にやって来るんだなと思った。それは嬉しいのだけど嬉しくないなんとも言えない複雑な気持ちなのだ。 「ふ~ん、この部屋に人がやって来るんだね。くふふっ友達になれるかな?」 なんて言って女の子は笑った。その笑顔は可愛らしいけれど不敵な笑みを浮かべているようにも見えた。 これがわたしと座敷童子の出会いだった。
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