199人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
春咲きの恋は、桜色に染まり
──週末の金曜日、退社時刻を過ぎると、自然と誰からともなく拍手が湧き起こった。
「課長、お疲れさまでした!」
「お疲れさまでした!」
社内のあちこちから口々に声がかかり、花束を携えた直属の部下が、相馬課長に近づく。
「お疲れさまです! 課長、ご栄転おめでとうございます!」
皆で会費を出し合って買った大きな花束が渡されるさ中、
(……相馬課長、今日でもう会えなくなってしまうんだ……)
私はひとりぼんやりと思っていた……。
最初のコメントを投稿しよう!