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一粒ダイヤで十分だったけれど羅依は、オニキスで持っているから同じに見えるとか、披露宴にはもっと華やかにとか言って次々とダイヤを見せてもらう。私は一生分のダイヤを見た気分で、ピアスと羅依を見比べていた。
「これだな」
羅依がそう言って私を見たので、彼の手元をしっかりと見てみると
「9粒…?」
一粒は小さいけれど3個ずつ、全部で9粒のブラックダイヤがプラチナのスクエアに整列している。確かにスクエアというのがありきたりでなく、プラチナカラーとでパーティにピッタリだけれど高額過ぎない?
「これくらい必要だ」
そう言われると、羅依の会社の役員さんたちも来る披露宴だから羅依に合わせてこれくらい必要な気もしてきた。
「羅依に似合うと思う」
「才花にも似合う。才花のは真ん中だけダイヤにするか?」
「そんなこと出来るの?」
真ん中の一粒をダイヤにしてもデザイン的にはとてもお洒落だけど
「オーダーメイドでご用意させて頂くことは可能ですが、お時間を頂くことになります」
「6週間で仕上げて頂きたい」
「かしこまりました。承ります」
出来たんだ…さすがと言おうか、羅依。
「出費がすごいから、しばらく節約しないとね」
「今まで使ってないから大丈夫だ」
「結婚式、みんなの分まで出してくれたでしょ?」
「問題ない」
「ホント?」
「誓いのキスが必要か?」
駐車場の車が見えたところで私を抱き寄せた羅依は、ゆっくりと唇を重ねた。
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