列車の旅・奇談 ~ぐるぐる~

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 しかし、あきらめ切れないヒサシは、沖へと泳ぎ、そのまま海底へ向かった。  が、やはり彼女の姿は、どこにも無かった。  息がつづかなくなった彼は、浮上すると岸に向かった。  そこには、彼女が脱いだはずの衣服も無かった。  仕方なく自分の衣服を着たヒサシは、さっきのラーメン店に行ってみた。  やはり彼女はいなかったが、不意に老女店主が現れた。  彼が事情を話すと、老女店主は笑顔で、 『ラーメンのお代は要りません。ここは彼女の持ち物だからね』 「そうでしたか‥‥。でも、その彼女が‥‥」  と、いなくなった事を話すと、今度は苦笑して、 『気まぐれですから‥‥』
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