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 仕事が終わって進一君が帰宅するのだいたい七時前なのは知っている。これでも一応昨日までは彼女だったんだから。  七時になって私はスマホを手にした。ラインやメールではなく、せめて直接この声で伝えなければと、表示されている進一君の電話番号を見た。  不意に頬を涙が伝う。  暫く躊躇していると、手の震えが少しずつ大きくなって、意図せず発信ボタンに触れてしまった。  私は大きく息を吸って心を落ち着かせようとしたけれど、待ち構えていたかのように一回のコールで進一君は電話に出た。
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