白玉あんみつ!

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白玉あんみつ!

「……どうした、もう終わりかぇ?」  天井の(はり)から逆さに吊るされ、俺は目と鼻と口からダラダラと体液を流しながら必死で意識をつなぎとめる。気を失ったら──終わり。 「つまらぬな。もう少し楽しませてくれるかと」  逆さに映るその目は、本当にただ〝つまらない”という落胆だけを告げてくる。すでに満身創痍の俺はそれを睨み返す事すらできない。 「ど……ぅか、……」  なぜこんな事になったのか。俺の人生はこんな風に幼少期からずっと虐げられている。おそらくこの先も。 「聞こえぬ。もう一度」 「ど……うか、お許しを……ど……」 「許せ? 何をだ」  逆さの目が弧を描いた瞬間、脳天を劈くような衝撃が(ほとばし)った。 「……ぁはあ……! ぅあああああーー……っ!!」  地獄か天国か、あるいはやはりこれは現実なのか。 (ああ……外。……晴れてんのに、雨が……)  開け放たれた障子の向こうで、雨に濡れた夕日が沈む。  天候というものは本当に気まぐれだ。……あの時もそうだった。  ──みっくん みっくん…… (餡……)  思えばあの幼少期の出来事が、俺の人生で一番輝いたピークだったのだろう……。  
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