40人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
猿ー!猿ー!と何度も呼んでみるものの、みんな束砂しゃんの所にばかり行ってしまう。
「お猿しゃん……」
「みんな、せんちょ様とも仲良くして欲しいでつ。そうだ!果物取りに行きまつか?」
「キキッ!」とたくさんのお猿さんがQUEやみんなのところにも来て、気の方に引っ張っていく。
「凄いな。この辺りは人が取りに来ないんだろう」
他の場所と違い、果物がぎっしりと実っていて、一匹の猿が果物を持ってきて渡してくれる。
「ほお、ヤンゴーの実だ。これは中に果汁が入ってて……ほら、あいつらみたいに穴を開けて飲むんだ」
「おててで割るでちゅか?」
「子供の力でも大丈夫。この凹んだところをグーで叩いて」
えいっと叩くとポコっと外れ、少し揺すってみるとチャポチャポと音がする。
みんなが手に取り、せーので一気飲み。
「甘いですねぇ」
「美味しい!」
「中の実は食べられませぬか?」
「苦いが、料理に使える」
他の実もこっちこっちと連れていってくれるので大収穫。
いつも見ているキーイに、ヤンゴーと赤いトゲトゲのある実。
「この赤いのは味はぶどうみたいで、種はかなりデカイ」
「植えたらできまつか?」
「それはわからんが……試してみるといい」
「キッ、キキ」
「なんて言ってまちゅか?」
「……分かりませぬけど、お家に帰るのでしょか?何匹か果物を持って森の方に行きますた」
ばいばーいとおててを振って、貰った果物を持って船内へ。
最初のコメントを投稿しよう!