6.緊張が抑えられない、フェア当日

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6.緊張が抑えられない、フェア当日

──まもなく訪れた、日曜日 私は抑えがたい緊張に駆られて、彼の運転する車の助手席に座っていた。 まだ結婚式の本番でもないのに、どうしよう、すごくドキドキする……。 あれかな……、貴仁さんとの結婚がいよいよ現実的になってきたからかな……。 運転席の彼の横顔を、こっそりと盗み見る。 だってこんなに素敵な人と一緒になるだなんて、未だになんだか信じられなくて……。 膝に置いた両手をぐっと拳に握り締めて、込み上げる緊張をこらえていると、 「どうした? もう着いたが」 彼からそう声がかけられて、ふと見るといつの間にかホテル前に車が停まっていた。 「あっ……と、はい」 降りようとすると、すかさず彼が助手席側に回って、自然なエスコートでドアを開けてくれた。 「いらっしゃいませ、お客様。お車の方は、こちらで駐車場に入れさせていただいても、よろしいでしょうか?」 「ああ、頼んだ」と、彼が待機していたドアマンにキーを手渡す。 「では、行こうか?」 レセプションパーティーの際と同じように片腕が差し出されて、あの時とはまた違ったときめく想いで、フォーマルな装いでスーツをきっちりと着こなした彼の腕に、おずおずと自分の手を差し入れた。
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