古村市生活環境課

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 街中挙げての秋の一斉清掃も終わって、冬支度を始める人もちらほらと出始めた十二月某日。今日は市役所全体会議の日。と言っても何を話し合っているのかは臨職の私には分かりかねるのだが、いつものデスクに課長の高梨さんと係長のまさみさんだけがいないところを見ると、いわゆる上層部会議みたいなものなのかな。知らんけど。  冒頭で説明していることだけでなく、生活環境課の業務は実に多岐にわたっている。この季節で忙しいのは市営の墓地の掃除だ。墓地なんてそれぞれで清掃すればいいと思っている人もいるだろうけれどそれは違う。春から夏はまあそれでもいい。でも秋になるとそこら中に枯葉が散乱するのだ。これを雪が降るまでに綺麗に片付けないといけない。  墓地に関しては、私はこの季節の枯葉の清掃くらいしかしていないけれど、実際に職員さんは墓地を訪れた人たちの廃棄したゴミを毎週回収している。設置したゴミ箱の中に卒塔婆が投げ込まれているのを初めて見た時は驚いたが、日常茶飯事らしい。  冬の真っただ中には雪掻きがあり、それは墓地だけでなく街中にある市営の公衆トイレ周りもその対象になる。  その他にもこの部署の業務は多岐にわたっていて、それはまた機会があったら徐々に話せたらなって思う。  因みに今日は何をしているのかというと、デスクワークに見せかけたサボり‥‥‥もとい自主勉強及び電話番だ。あらゆる外来種の特徴を憶えたり不燃物と可燃物の区別方法をしっかり叩きこんだり、などなど。
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