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凪が行ってしまった後、寂しがっている暇もないくらい忙しくなった。主題歌に選ばれたアニメの番組にも呼ばれたし、ライブも立て続けに入っている。那月ちゃんは専門学校を卒業したけど、俺と綿谷は勉強もしなきゃならない。二人とも出席日数ギリギリだったから、先が思いやられるよ。
一息着いて、部屋で一人になった時に凪の温もりを思い出すと、やっぱ苦しい。
それでも、俺は頑張らないといけない。
だってもうメンバーに、言ってしまったんだ。
〝え!波瑠、曲作りたいって?〟
〝うん。やってみたい〟
〝だって。孝則、どう思う?
〝べつに、いいんじゃないか?〟
〝那月ちゃんや孝則君みたいに上手くできるかわからないけどさ、歌詞もちゃんと書いてくる。だから、みんな協力してください〟
初めて、人の曲じゃなくて、自分の曲を作って歌いたいって思った。
上手くできるかはわからないけど、やってみたい。
〝いいけど。二日後に歌詞とメロディーライン作ってきて。一応、できたら編曲も〟
〝わ、わかった!〟
できなかったら、きっとみんなが助けてくれる。
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