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「……。」←舞耶
「普通に上手いね。」←あんちゃん
『先に唄ったわたしのアニソンの意味…。』
わたしのアニソンに続き、昨年末話題になったドラマの主題歌を、しっとりと唄い上げた井ノ上さん。
「嘘!?森川さん、泣いてる?」
気付けば、目線の先には、井ノ上さんの歌で涙ぐむ舞耶の姿が…。
『舞耶ちゃん、今日は本当にどうしちゃったの?』
「だって……。(泣)わたしあのドラマ毎週欠かさず観てたし。この曲大好きなんだもん。(泣)」
『…というか、ガチ泣きになってるし…。』
「うろうろしてみたり、黙り込んでみたり、泣いてみたり…。森川さん、今日は落ち着かないね。あっ!でも落ち着きがないのはいつもか…。」
あんちゃんは、ここでも冷静だ。
「井ノ上ざん、あじがどうございまず…。(泣)」
舞耶ちゃん、お礼言っちゃってるし。(笑)
「この曲くらいしか分かんなくて…。でも、大丈夫だったみたいでよかった。」
爽やかにそう言うと、残りのコーラフロートを一気に飲み干した井ノ上さん。
『クールじゃなくても、井ノ上さんは…やっぱり王子だね。』
わたしの口からは、心の声が零れ落ちていた。
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