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そんな今日は、もともと母の元へ向かおうと話していた日から1週間が経とうとした土曜日。
その日は朝から彼の様子がおかしかった。
よく考えたら昨日からかもしれないが、とにかく違和感があった。
寝起きが悪いのはもともとだが、今思い出してもそいつもより寝ぼけていた気がする。
服も前後逆に着ようとしていたし、バイトが休みの日のはずなのに家を出ようとした。
本人はあまり気にしていなかったが、どこか変だった。
「はるー?」
「んー?」
「熱ある?」
「えー、わかんない」
「体温計どこだっけ・・・とりあえず測ろ」
体調が悪いせいで頭が上手く働いていないのかと思って熱を測らせると37.8℃。
普段は低体温の遥斗から考えたらかなりの高熱だと思う。ー本人はあまり自覚していないみたいだけど。
「え、寝よ。とりあえずすぐにでも寝よ」
「元気だよー?」
「なんか違うから。うん、なんかおかしい」
製氷機の中の氷をビニール袋に詰め込んで、念の為にとしまってあった薬と共に急いで戻る。
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