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5.愛情と執着の間で
「もう少しゆっくり進んでくれ」
ライナーは小窓を開けると横を並走していたロタリオに声を掛けると、馬を寄せながらロタリオは不安そうに眉を顰めた。外はすでに暗闇で、時折獣の声が遠くから聞こえてきている。この辺りに危険な獣や夜盗は現れないが絶対とは言い切れない。夜中に少数の護衛のみで通っている貴族の馬車など夜の闇に紛れて生きる者達にとっては格好の獲物だった。
「ですがこれ以上遅くなれば帝都に着く頃には真夜中になってしまいますよ?」
「リンディが眠ったんだ。我儘放題だよ、まったく。日中は道が悪いと文句ばかりで休めていなかったみたいだからな」
「確かにお嬢様には少々お大変な道のりだったかもしれませんね」
「これでも迂回して平らな道を選んだんだけどな。どちらにしてもこの調子だとしばらくは起きないだろうからもう到着は遅くても構わない」
ロタリオは納得したように頷くとすぐに御者の方へと進んで行った。領地に戻りリンディを迎えに行ったまでは良かったものの、当の本人が馬車で揺られるのを嫌がった為、休み休み平坦な道を選んで進んだ結果、かなりの遠回りになってしまっていた。それを考えればあと少しで帝都に着くのだから今更多少遅く着いた所で大差ない事に思えた。今度は小窓が外から叩かれ開けるとロタリオが覗き込んできた。
「このまま行けば小さな村があるそうです。宿は期待出来ませんがそこに泊めてもらい朝に出発しますか?」
「いや、下手に起こしてリンディが不機嫌になっても面倒だからこのまま進もう」
ロタリオは苦笑しながら窓を閉めた。侍女の膝ですっかり寝息を立てているリンディはまだあどけない表情を浮かべている。
「眠っている時は大人しいんだな」
「坊っちゃんそれは当たり前です」
「お前もその呼び方サシャの真似だろ。止めろ」
「失礼致しました。あまりにもサシャ様不足でしたのでつい。どうかお許しください。解雇はしないで下さい。申し訳ありません、サシャ様と引き離さないで下さい。呪ってしまいますから」
「……、……こんな事くらいで解雇はしないさ。ガティネは相変わらずのようだな」
リンディが小さく呻いたのでそこで会話は終わり、ライナーは遠くの帝都の明かりに視線を向けた。
イリーゼの部屋を出たウィノラが食堂に戻ると、忙しさが更に増しているようだった。さっきは皿洗いをしていたウェスも大きな酒瓶を何本も抱えて往復している。その瞬間、ばちりと目が合った。しかしさっき料理長に叱られた事が効いているのか何も言って来ず目を逸らされてしまう。そうなると返って気になるのがウィノラの性分だった。
「何か手伝う事はある?」
「いいからお前はもう寝ろよ」
「そんな事言わないで、ね? 手伝うから」
「いいってば! どうせお前にこんな重いもんは持てないしな」
「それじゃあ盛り付けとか?」
「ハ! 俺もまだ任されていないのにお前にやらせる訳ないだろ。あ、おいこれも持っていけよ!」
ウェスはグラスに注いである酒を見ながら給仕係の背中に向かって叫んだ。
「もう無理だっては! あんたが持ってきなさいよ!」
負けじと帰ってきた言葉にウェスは次の言葉を叫ぼうとした時だった。
「私が行くよ! ね、いいでしょう?」
「でも厨房係じゃないのに手伝わせたらまた料理長にどやされるだろうし」
恨めしそうに見られてウィノラは肩を竦めた。
「大丈夫大丈夫! 私がやりたいって言ったんだから怒られないわよ」
返事も聞かずにグラスの乗ったトレイを持つと、後ろからウェスが叫んだ。
「さっきの奴に聞けば分かるから間違えるなよ!」
声を背中で受けながら久しぶりに来た食堂は活気に満ちていた。
時刻は真夜中を少し過ぎた所。他の地区ならきっと寝静まっている時間帯だというのに、この娼館が立ち並ぶ通りは今が一番の賑わいを見せていた。娼館に通う事は男達の富と権力の証であり、商談の場にもなりうる。だからこそ秘密が守られる娼館は重宝されていた。口の軽い娼婦がいる娼館はあっという間に噂が回り、潰れた館は数知れず。その中でヒュー娼館は、娼館の中でも群を抜いて商談や談合に使われる機会が多かった。ウィノラは食堂の中をちらりと覗きながらさっきの給仕係の背中を追い掛けた。食堂の中は賑わっているとはいえ、ちゃんとした道幅を取っている為、歩いていて誰かとぶつかるような事はない。それでも急ぐと目立ってしまうので、あまりキョロキョロしないように歩いていると、振り返った給仕係が指で奥の机を差してきた。合図を送られた先には一際賑わっている机がある。おそらく二組くらいが合わさったのか宴会場のようになっていた。ウィノラはトレイを慎重に運びながら座っている娼婦に声を掛けた。
「ディアンヌ、お酒を持ってきたわよ」
ディアンヌは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにトレイを受け取ると客に差し出していた。これだけで休むのも気が引け、また厨房の手伝いをしようと踵を返した時だった。
「やっと見つけた! まさか君みたいな人がここに降りてくるなんて信じられないよ。もしかして僕に会いに?」
一瞬何が起きたのか理解出来なかった。それよりも掴まれている腕に驚いて声が出ない。動いたのはウィノラよりもディアンヌの方が早かった。
「お客様、この者は違います。手を離して下さい」
「僕の事を覚えているだろ? 街での事をずっと礼がしたくてこうしてここに通っていたんだ!」
ウィノラは記憶を手繰り寄せるようにじっと男の顔を見て小さく息を呑んだ。コーティザンの二人と買い物に街に行った日に出会った男性だった。
ーー確かイリーゼさんに惚れたっていう貴族がいるって聞いていたけど、きっとこの人ね。
「残念ですが私に言ってもコーティザンには会えませんよ」
腕を外そうと動かすが男の手は強く、むしろ締め付けがキツくなる。ディアンヌが間に入ろうとするも男は腕で払うともう片方の手も掴んできた。両手首を拘束される形になってしまった事に恐怖を感じていると、男は更に近付いてきた。
「あの日の格好も素敵だったけれど今の姿も素朴でいいね。美しい人は何を着ても似合うものなんだ」
周囲がざわめき出すのと護衛の者達が走ってくるのと、色々な音が耳に到達してくる。それでも目の前の男は何も見えていないようだった。
「お客様その手をお離し下さい! 規則違反によりご退館願います!」
「この人は僕に会いに来てくれたんだろ? コーティザンとはいえ自ら来たなら問題ないじゃないか」
訳の分からない言葉にウィノラはただ身を捩るしか出来ない。するとマイノが無遠慮に腕を捻じり上げた。
「この者はコーティザンじゃありません。娼婦でもありませんからお客様のお相手は出来ませんよ」
「嘘だ! あの日他のコーティザン同様に着飾っていたじゃないか! 僕を騙そうとしてもそうはいかないぞ」
「本当に私は違います! あなたの勘違いです!」
マイノはレナードの腕を掴んだまま護衛の男達に引き渡した。
「お客様のお帰りだ。今後二度とうちにはお越しにならないでくださいよ」
「そんな! せっかく会えたのにあんまりじゃないか!」
「何か勘違いをされていたようですがこの者は娼婦じゃありません。この者だけじゃありません、娼婦以外の従業員に手を出す行為もうちでお断りしていますから、守れないのであればよそに行って下さい」
レナードは呆然としたまま護衛達によって連れ出されていく。何かを騒いでいたがそれ以上はもう聞こえてこなかった。
「さあお帰り下さい」
「そんな事をしてただで済むと思っているのか? 僕が誰だと……」
「ですからお貴族様の脅しは効きませんてば。うちにはあなたよりもずっと上位の爵位を持つ顧客様が大勢いるんですから」
「でもあの女性は娼婦ではないのだろう? ならば話すくらい良いじゃないか」
「ですから娼婦以外の女達には手を出さないでもらいたい! それに娼婦にも手荒な真似は許していません。うちは全て同意の元で初めて許さる行為なんです。さあもうお帰り下さい、他所もこの時間ならまだやっているかもしれませんよ」
放り出されたレナードは護衛にしがみつくようにして門が閉まるのを阻止しようとした。護衛が引き離したレナードが勢い余って後ろに倒れる。その時、通りを走って来た馬車が飛び出したレナードを避けようとして馬が行き場を失い、辺りは一瞬にして混乱に陥った。
リンディが眠っており、真夜中という事もあり馬の足がゆっくりだった事が幸いだった。そうでなければきっとレナードを避ける事は出来なかっただろうし、避けれたとしてもきっと馬車は転倒していただろう。しかし馬車は大きく揺れ、リンディはガティネと共に前に倒れていた。二人を支えたライナーは直様カーテンを開けて外を確認した。
「何事だ! 奇襲か?」
「すみません、どうやら酔っ払いが通りを塞いだようでして、今避けさせている所です」
ロタリオの視線の先ではどうやら娼館の護衛らしき男達と身なりのいい男が揉み合っている。リンディは突然起きた衝撃に癇癪を起こしながらカーテンの外を覗き込んだ。
「何よここ! もしかして娼館街を通っているの? 汚らわしい! お兄様もしかしてここに寄ろうとしていたの? 信じられない、お父様に言い付けるわよ!」
たった今起きたとは思えない饒舌振りを発揮するリディアは、軽蔑する瞳をライナーに向けてきた。
「頼むから少し黙っていてくれ」
ライナーは窓からロタリオを呼ぶと、幾つか指示をした。
「おそらく馬車にはぶつかっていないから大丈夫だと思います」
「だかここは貴族御用達の娼館だろう? あの男性もあの身なりだとおそらくそうかもしれない。後から言われるのは面倒だ。家門を伝えて治療費として金を渡してこい」
「ですがこちらの事は目に入っていないようですが……」
確かに護衛と揉み合っている貴族らしき男性は一切こちらを見てはいないようだった。
「それなら冷静なあの護衛に渡してこい。ここはあの者達の領域だしな」
「承知致しました。皆様もお怪我はありませんか?」
「こちらは大丈夫だ」
「大丈夫じゃないわよ、どうしてこんな事になったのか説明してよ! お兄様!」
騒いでいるリンディをよそにライナーは小窓を叩いて御者に合図を送ると、馬車は再び歩き始めた。窓からロタリオが娼館の護衛に金を渡しているのを確認してからカーテンを閉めた。
明け方、アデリータの部屋ではいつになく重苦しい雰囲気に包まれていた。部屋の中心にいるのはウィノラ。そして周囲を取り巻くようにしてアデリータとコーティザン二人、そしてマイノが座っていた。
「まさかハーン子爵のご令息のお目当てがウィノラだったとはね。気の毒というかなんというか」
アデリータの言葉に沈黙が続く。そしてマイノはウィノラの肩をそっと叩いた。
「しばらくは外出禁止だな。あの様子じゃすぐに諦めるとは思えんし」
「でもどうして食堂になんて行ったのよ。あんたがそんな事するなんて珍しいじゃない」
デリカがそう言うのも無理はない。確かに今までも裏方の仕事を手伝う事はあっても、人前には出たりしない。それはずっと昔からアデリータに言われてきた事でもあり、そもそも知らない人と話すのがあまり得意ではないせいもあった。だから昨晩の事は本当に偶然としかいいようがない出来事だった。
「それで、レナード様だっけ? 会ってみてどうだったの?」
「どうって? 別に……」
「またまたぁ! 格好良かったんじゃないの? それに子爵家でしょう? 最初のお客としては上々よ」
「デリカ! あんたは黙ってなさい。ウィノラは娼婦じゃないのよ」
「でもコーティザンにしようとしていたじゃない。それなのに駄目なの?」
「まだなんの教育も受けていないわ。このまま客を取ったってすぐに飽きられて終わってしまうの。そんな事あなたも分かっているでしょう。第一ウィノラにその気がないのよ」
イリーゼの視線にも顔を背けてしまう。男性にあんな風に腕を掴まれて恐怖以外のなんの感情も起きなかった。あの手の強さが怖くて、欲に満ちた表情が気持ち悪くて堪らなかった。娼婦達は日々あんな視線を感じながら仕事をしているのかと思うだけで、ウィノラは身体の震えが止まらなくなっていた。
「全く、あの貴族坊っちゃんのせいでウィノラはもうコーティザンにはなりたがらないわね。本当に余計な事をしてくれたわ」
珍しく不機嫌を顕にするイリーゼは、思い切りウィノラを抱き締めてきた。
「あんな風に執着されたら誰だって気味が悪いものよ。それに慣れていないウィノラなら尚の事だわ。私がもっと気を付けていれば良かった。嫌な予感はしていたのに」
「ちょっと、もしかしてこうなるかもって知ってったって事?!」
「デリカ! いちいち大きな声で言わないで。私達といたんだから相手がウィノラをコーティザンだと勘違いしてもおかしくなかったという事よ」
「私しばらくは外出しません。あの人がどこにいるのか分かりませんから」
「それがいいね。もし出掛ける時はマイノを連れて行きな。もし付きまとわれたらすぐに馬車に乗るか警備隊の詰め所に逃げ込む事、いいね?」
「分かりました。迷惑を掛けてごめんなさい」
その瞬間、大きな身体でふわりと包まれた。
「謝る事なんてなにもないさ。気にする事はないよ」
レナードが呼ばれたのは、父親の別邸の執務室だった。父親はレナードが幼い頃からずっと本邸には戻っていなく、ずっと帝都にある別邸で愛人と共に暮らしていた。幼い頃から数えてもレナードがこの別邸に来たのは数える程しかなかった。しかし愛人との間に子はいなかった為、レナードがハーン子爵家の嫡男である事に変わりはない。久しぶりに会ってもこれと言って話す事もなく、今日呼び出された内容に全く予想が付かなかった。
屋敷は別邸とはいえ本邸に負けないくらいに広く、静かだった。執務室の前にも誰もいない。重厚な扉を叩くとすぐに久しぶりに聞く父親の低い声が聞こえた。
「お久しぶりです父上。お話というのは……」
部屋の中にいたのは父親だけではなく、男達が二人座っていた。格好からするに平民のような格好をしているがすぐに一人の顔に気が付いた。
「この者に見覚えはあるな?」
「ヒュー娼館の者達ですね」
すると大きな溜息が落ちてきた。
「お前にヒュー娼館の紹介者になってほしいと言われた時は正直驚いたが、人並みに女に興味が出てきたのかと思い承諾したというのに私が馬鹿だったようだな。娼館に通うなとは言わないがみっともない執着は見せるな。ヒュー娼館からこのまま付き纏うような事があれば裁判所に申し出て、接近禁止命令を出してもらうと言われたぞ」
「父上、それは誤解です! あの人は娼婦ではないそうです!」
「馬鹿者! 尚の事悪いわ! ただの女、それも平民の女の尻を追いかけ回して裁判所から接近禁止命令など出されてみろ、お前はうちの家門に泥を塗る気か!」
「ハーン子爵様……」
「お前がこの所ずっと娼館に通っているというのは知っていた。でも黙っていたのはヒュー娼館だったからだ。あそこから出入り禁止と言われてしまえばお前の将来の行動に制約が出来たと言っても過言ではないのだぞ。お前もそろそろ身を固める時期なのだろうな」
「なんでそうなるのですか。私はまだ結婚などしません! するならばあの人を……」
「レナード! お前を信頼していたからこそ、自ら良い相手を見つけてくると思っていたのだ。丁度良い話も来ていた所だからこれを機にお受けしようと思う。お前の事を非常に気にいって下さっているお方だよ」
レナードは首を振りながら身を引いた。
「まさか、マーサ嬢ではないですよね?」
「お前からマーサ嬢にドレスを送ったと聞いているぞ。それほどの仲ならばと合意に至ったのだ」
「それも誤解です! 絶対に承諾出来ません! 私はマーサ嬢とは結婚しません!」
「ならば仕方ない。お前にハーン家は継がせられんな」
レナードは呆然としたまま立ち尽くしていた。
「でも僕以外はいませんよね? まさか一族の中から養子でも取るおつもりですか?」
父親の不敵な笑顔にレナードは表情を強張らせていく。そして口を覆った。
「まさか、あの女が妊娠したのですか?」
「口を慎め!」
「これ以上は込み入ったお話になりそうなので我々は失礼致します」
「マイノ殿、息子が結婚して落ち着けばまたヒュー娼館への出入りを許して欲しい。そう女将に話をつけてくれないだろうか?」
「今まで出入り禁止を解かれたお方はおられません」
「そこをなんとか頼む。ヒュー娼館に出入り出来ないとなれば社交界で笑い者になってしまう。それに内密な話をする場にも顔を出せなくなってしまうだろう。それはなんとしても避けたいのだ」
子爵は引き出しから装飾の施された箱を取り出し、マイノの前に差し出した。しかしマイノは受け取る事なく席を立った。
「うちは信頼第一でここまできた娼館です。だからこそハーン子爵様もご贔屓にしてくださっているのだと思っております。女将には一応話はさせてもらいますがあまり期待はされないで下さい」
マイノと共にもう一人の護衛が部屋を出ていくと、ハーン子爵は思い切り机を叩いた。
「平民の、しかも娼館の分際で清廉潔白の振りなどしおってッ」
「父上僕は結婚出来ません。ヒュー娼館の件については僕が自ら出入り禁止を解いてもらってみますから、どうかマーサ嬢との結婚だけはご勘弁下さい」
「今のあいつらの対応を見ただろう! お前がまた接触すればそれこそすぐにでも裁判所に行く気だぞ!
マーサ嬢の何がそんなに嫌なんだ? それなりに美しいご令嬢じゃないか。多少我儘だとは承知しているが、それはどこも同じようなものだから目を瞑れ」
「そうではなく僕には愛している女性がいるのです!」
「ならば結婚した後に囲うなり娼館に通えばいいでないか」
「父上のようにですか?」
「あれも好きにしているだろう」
「確かに母上は社交に勤しんでおりますからお互い様なのでしょう。だからこそ余計に僕は愛する人と一緒になりたいんです」
「もしマーサ嬢と結婚しなくても娼婦を正妻には出来んぞ。そんな事をすればお前と家族の縁を切らなくてはならなくなる。幸いにもマーサ嬢はお前の娼館通いを黙認すると仰って下さっているんだ。出来た令嬢を娶れる事を幸運だと思え」
「ですが!」
「これ以上食い下がるのであれば即刻荷物をまとめて出ていけ。返事はどうした?」
「……承知致しました」
「はっきりと言わないか」
「マーサ嬢との結婚を……結婚致します」
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