Road*2

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毎週水曜日と金曜日には、外でお酒を飲んで帰ってくるようだった。 そのお酒の席を共にするのが、例の恋人だったのだ。 問い詰めなければ。 そう思った美和は、金曜日の夜、田代が帰宅するのを彼の自宅周辺で待った。 閑静な住宅街には監視カメラがなく、暗がりに身を潜めていれば誰かに気づかれる心配もなかった。 電話で呼び出したり、メールのやり取りを残せば、田代の身に何かあった時、身内でもある美和は真っ先に疑われてしまう。 そのため、時間は掛かってもこうして足を残さない手段を選んだ。 ガチャ。 閑静な住宅街に並ぶ一軒家の、門が開く音がした。 顔を上げると、田代が自宅の門を開けるところだった。 ゆっくり立ち上がり、彼に近寄る。 彼が自宅の玄関を開錠し、ドアを開けるタイミングで背後に駆け寄り、彼が家に入ったのと同時に足を入れる。 閉まろうとするドアに、美和の足が挟まる。 「なっ――」 声を上げようとする田代の肩を押し、玄関のドアが軽くなった瞬間に、ドアを少し開け生じた隙間から身を滑り込ませる。 足や体が痛んだが、押し入ることには成功した。 「もう新しい恋人がいるんですね。それとも、ずっと不倫してたんですか?」 どう思われようが、どうでもいい。相手は美知を追い詰めた人間だ。 美和はなりふり構っていられず、早口でそう聞く。 田代は笑うだけで、何も答えなかった。 「こんな深夜に一体何の用ですか?」 突然侵入してきた美和の頭からつま先までを、田代の視線が何度も行き来する。
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