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1. 久しぶりのお茶会
「何それ、聞いてないわ」
あまりにも衝撃的な話に、花の女神・フローラは無作法にもカチャンっと音を立ててティーカップを置いてしまった。
「フレイ様とリアナ様との間に子供が出来ていた上に、もう立神済みで風の神と結婚もしているって?! どういうことなの?」
「私達もなぜ存在を公表されていなかったのか分からないし、結婚した意味もわからない。リアナ様が余計な詮索はするなって仰ったしね。その意味が分かるだろ?」
氷の女神・セリオンが真っ白な前髪をかきあげながら答えた。この女神がやると妙に格好よく決まる。
「それなら、だいだい何でわたくしにそのパーティーの招待状が来ていないわけ?!」
おかしい。そのパーティーの招待者は高位神とその守護天使だったと言う。上・上級神の自分が呼ばれていないなんて!
「それは多分、フレイ様とリアナ様共同主催のパーティーなんて言う招待状をもらったら、フローラ様が仕事をほっぽり出して天界に帰ってくると思ったからではないでしょうかね」
愛の女神・ヴィーナスがのんびりと紅茶を飲みながら答えた。
「たった……たった10年、地上に降りていただけだって言うのに、何でこんな事になっているのよ」
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