第5章:偽装彼氏とデートの日

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「……はい。宇根崎さんは上司だから失礼のないようにしないとと思ってて」 「その考えはダメよ」 麗華さんにふふっと艶っぽく笑った。 「上司じゃないでしょう?彼氏なんだから、タクミのことドキっとさせるくらいでいないと」 「ドキっとさせる……」 そんな服装、耕平と付き合ってた時でさえ着たことがない。 可愛らしい服や派手なものは私に似合わないと思っていたし、それに部長の前でそんな服着ていったらバカにされてしまいそうだ。 でも確かに……彼氏がいたのに、色気がなかったのは事実かも。 「いいわ。明日仕事前に買い物に行きましょう。ウミカに似合う洋服を選んであげる」 「ちょっ、まだ私行くとは……」 「ちょうどいいじゃない?練習も出来ないのに、本番上手くいくわけないでしょう」 うう、確かに……麗華さんの言うことはもっともだ。 それに自分で買ったんじゃいつもと同じような地味な服しか選ばないだろうし……。
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